カロリー制限は、食べ物から摂取するエネルギー(カロリー)を低く保つ(→ローカロリー)食事法です。
身体は、摂取した食事をエネルギーに変え、それを消費して活動するので、食事で摂取したエネルギーの方が消費したエネルギーより多ければ、
余った分のエネルギーは体脂肪として貯まってしまう(体重増加につながる)ため、それを制限する方法です。
食べる量を減らすなど、ガマンを強いる方法でなかなか継続は困難ですが、昔からよく言われる健康法「腹八分」は
日進月歩の医療においても、残念ながら覆りそうにない事実のようです。
最近注目されているのが、様々な老化の要因を抑えてくれる長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)の存在です。
長寿遺伝子は細胞内のエネルギー産生に大活躍するミトコンドリアを増やしたり、古くなったミトコンドリアを新しくして細胞を若返らせたり、動脈硬化や多くの病気の原因となる「活性酸素」を除去するなど様々な働きがあります。
カロリー制限は、この眠っている長寿遺伝子のスイッチをONにすることが研究の結果わかってきました。
具体的には、ヒトにおいて、7週間、必要なエネルギー量の25%制限することで、
長寿遺伝子の働きが4.2~10倍に増加したことが示されたのです。
では、単純にカロリーを減らせばよいのか、というとそうではありません。
若者の会話で「サバの味噌煮ってこんなにカロリー高い!スナック菓子の方がカロリー低いからこちらを選ぼう」という内容を聞いてびっくりしたことがあります。単なる数字で置き換える指導は良くないと実感しました。
サバの味噌煮には生きていくために必要な栄養素(美しくなるための要素も沢山!)がたっぷりありますが、スナック菓子は身体へのプラス効果はほとんど期待できないempty calorie(空っぽのカロリー➡栄養はなくてカロリーだけある)。
つまり、サバの味噌煮とスナック菓子では「選ぶべき食品」と「避けたい食品」の対局で、選ぶべき食品は美しい肌や髪、健康的な筋肉を作るべく代謝を促し、身体だけではなく心の健康も維持する効果があるのです。
(「ローカロリーでも満足するコツ、ガマンを強いない方法」へ続く)